【ROOKIES】井坂泰誓が待望の初優勝



■Pickup Rookie

 勢いを加速させていた井坂泰誓(写真)が2月奈良FIIミッドナイトで待望の初優勝を3連勝で達成した。決勝は、例によって宮下一歩、鈴木薫、勝谷勝治との同期対決の様相。レースは宮下が逃げ、その番手を回った絶好調の眞鍋伸也が、勝谷の巻き返しをブロック一発で止める。5番手で脚を溜めた井坂が仕掛けたのは最終2コーナーからで、スムーズに加速していくと、粘る宮下を交わしたところがゴールだった。
 「最近は同期対決にも勝てるようになってきたし、師匠(榎田浩二)や練習仲間の先輩にも優勝できる脚はあると言われていました。古性(優作)さんにセッティング、ペダリングのアドバイスをいただいて、それをレースで出せています。踏み出しが強くなったのが今の成績だと思います」
 着実に自信を付けていく中で、一つ結果を出せたことを素直に喜ぶ。
 「課題はやっぱり末脚ですね。自信がないというか、そこまでないんで、ときどき消極的になったりしてる。そういうのもあるから(デビューしてから)前半は戦法の幅も狭まってた。後半は課題を克服するように先行で戦ってました。勉強することも多いし、今は番手の先輩に育ててもらってる感じ。来期からの2班も決まったし、そこで足踏みしないようにと先輩には言われてます」
 デビューからここまでをこう振り返った井坂。初優勝を通過点に、走りを進化させていく。


 

 松尾勇吾(写真)が巻き返しを誓う。デビューの前期は予想以上といってもいい活躍ぶりだった。最初の2戦こそ決勝を外したが、3場所目の8月岐阜FIIの準Vから軌道に乗り、続く同月福井FIIで初優勝。“福井の優勝は自信になった”と、10月小倉FIIミッドナイトでは無傷の完全V。さらに11月青森FIIも完全優勝して特別昇班に王手も懸けている。しかし、連勝は8で止まった上に、12月伊東FIIナイターで落車。2月宇都宮FIIから出直しになった。
 「伊東の落車で右の鎖骨を折りました。(復帰戦は)練習ではもう大丈夫かと思ったけど、実際にレースを走ってみたら戻り切ってなかったような気もします。でも、(9月)高知の時も500バンクで決勝に上がれなかったので、500バンクが苦手なのかもっていう感じもします。落車する前まではレースに慣れてきて順調にきていたと思うし、次は松阪で400バンクなので、また調子を上げていきたいです」
 準決はまくり不発で、141着に終わった宇都宮を振り返る。“自分はゆっくり時間をかけて、3年以内にS級に上がれるようにと思っています”と以前話していたように焦るつもりはない。得意とするダッシュを生かしたまくり、カマシに磨きをかけ、改めて上を目指していく。


 

12月小倉FIIミッドナイトで梶田舞らを破って優勝する大ヒットを飛ばした村田奈穂(写真)。その後は決勝に乗れていないが、最終日一般戦の鬼と化している。2月高松FIまでの5場所で4勝、3着1回。勝ち星は全てまくりでマークしており、新人の中でも特異な存在感を放っている。
 「小倉の優勝から周りの目が変わったような気がしますけど、小倉は実力以上のモノが出せただけと思っています。嬉しかったし、自信にはなりましたが、これ(現状)が実力ですって感じです」
 デビュー戦から決勝に乗って、競走得点は50点オーバー。最初からトップクラスと日常的に対戦するガールズだけに、十分に健闘していると言ってもいい。“先行から追い込みまで全ての決まり手を付けたい”とオールラウンダー志向を持つが、“前へ前へグイグイと攻めていく自力”が現在の主戦法。まだ予選では仕掛けがツボにハマらず苦戦が続くものの、脚はあるだけにレース運びが上達すれば一気に飛躍しよう。一般戦で勝ちまくるのはトップ選手へ駆け上がる重要な第一歩だ。