【ROOKIES】寺沼伊織が初優勝

■Pickup Rookie

 デビューからおよそ8カ月、17場所目にして、寺沼伊織(写真)が、うれしい初優勝を3月7日からの奈良FIIシリーズで飾った。
 「カマシ、まくりが得意。デビューしてだいぶたったんで、落ち着いて走れるようにはなりました」と、言っていた2月の立川FIIは115着。決勝は打鐘手前からカマシ気味に仕掛けて風を切ったが、鈴木涼介、藤井侑吾の同期のまくりに沈められた。
 続く高松FIIでも決勝にコマを進めて、次の奈良FIIを3連勝。初Vが完全優勝だった。決勝は谷和也、関谷哲平の近畿コンビ以外はラインができず、5人が単騎。立ち回りが重要な鍵となったが、寺沼は主導権を握った近畿勢の後位、3番手を最終的に確保して短い直線で突き抜けた。追い込みでの優勝だが、待望のV奪取は励みになったことだろう。


 

 ホームバンク、大宮でデビューを果たし、2戦目の準決を逃げ切り初勝利。荒木貴大(写真)はルーキーとして順調に滑り出したが、3場所目の静岡FIIで落車に見舞われた。復帰までに2カ月を要し、その後はコンスタントに決勝に乗るも優勝にはなかなか結びつくことがなかった。ただ、積極性だけは失うことなく、最終バックの数を積み重ねてスケールの大きい走りは続けていた。デビュー以来のホームとなった直近の大宮FIIではロングまくりで初日予選、準決を連勝。決勝は同期の土田栄二の番手を回り、土田が不発と見るや自力に転じて後続をちぎった。判断力が光る一撃で、ホームバンク3連勝の完全V。初優勝にこぎつけた。走りなれたホームバンクで自信をつけた荒木の次回は、長走路から打って変わって33バンクの奈良FII(3月22日から)。仕掛けどころさえ逃さなければ、連続優勝にも視界が開ける。


 

 今期6場所18走を終えて、12勝2着3回。15回の連対はすべて先行策。逃げ切りで勝ち星を量産している。直近の防府FIIでは昨年の12月以来、通算2度目の優勝を3連勝で遂げた。前述した通り、3走はすべて逃げ切り。ケレン味のない仕掛けが宮下一歩(写真)の最大のセールスポイントだ。
 防府の決勝では思惑通りのポジショニングはできたなかったようだが、押さえ先行でレースを支配。2周以上を駆けて、同期の古賀勝大、池川瑠威、鈴木涼介を不発に追いやった。27歳だが自転車経験が浅いだけに、伸びシロはまだまだある。ラインがしっかりしていて、長くなる9車立ての方がさらに生きそうな宮下だけに、早くチャレンジを卒業してほしい。